009.秋の夜長に
あんなにうるさかったセミの声がぱったりと止み、
庭や道ばたの草むらから、リリリリリ・・・、チンチンチン・・・と、
虫の音が聞こえるようになりました。
日中はまだ夏のような暑さでも、
朝晩は涼しくなり、日が暮れるのも早くなって、
季節が確実に秋へと変わっていくのがわかります。
まだ明るい夕方、庭に出ると、
チンチンチン・・・と一定のリズムを刻むカネタタキの音。
どこからか、ギィーッ・・・チョンという独特の響きの
キリギリスの音も聞こえます。
そして、日がとっぷりと暮れれば、虫たちの大合唱の時間。
テレビもパソコンもオフにして、そっと窓を開けると、
リンリンリーンと響きわたる虫たちの声が、室内に流れこんできます。
リリリリリリ、コロコロコロ、と大きな声で鳴くのはコオロギ。
チッ、チリリと可愛らしく鳴いているのは、マツムシでしょか。
高く透んだ音色で、リーン、リーンと響くのは、
音を愛でるために壺で飼われることもある、あのスズムシです。
虫たちが、羽をふるわせて美しい音を出すのは、
繁殖のための求愛行動なのだとか。
ほとんどの場合、オスがメスを呼ぶために鳴くといいます。
鳥のオスが美しい羽で着飾って、メスを惹きつけるように、
虫たちは、音の響きで、相手を探しているのでしょう。
そう思うと、賑やかな虫のオーケストラも、
恋心を高らかに歌い上げるアリアや、
ちょっと切ないラブソングに聞こえてきます。
これからの季節、秋の夜長を過ごすのに、
虫の音に耳を傾けてみるのもいいですね。
たとえ小さな庭や、ちょっとした植え込みであっても、
植物が生育していれば、きっと虫たちが鳴いています。
いつもの音のあふれる日常から離れて、
読書や手仕事をしながら、
あるいは、明かりを落とし、早めに寝床につき、
窓を開けて、耳を澄ませてみましょう。
涼しい夜風を感じながら、虫の音を聴いていると、
響きわたる虫たちのラブソングが、眠りへと誘ってくれます。
...soraiでは、お客様の「暮らしに寄りそう家」を、ご提案しています。
日々の暮らしのなかで楽しみたいことを、ぜひお聞かせください。
それを実現する家づくりを、一緒に考えていきましょう。