COLUMN

彼岸花と秋祭り

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稲穂が実って首を垂れる頃になると、
田んぼの畔に、目の覚めるような朱赤の花が開きます。
長いおしべが優美な、ヒガンバナ(彼岸花)です。

この花の咲くのが、突然に思われるのは、
何もないところに、ある日、いくつも
黄緑色のアスパラガスのような茎が出てきて、
あっという間に伸び、大輪の花を咲かせるから。

茎の上では、小花が放射状に並び、
おしべまで入れると直径は15㎝を超えます。
それがいっせいに咲きそろうのですから、
遠くからでも目を引き、みごとというほかありません。

近所の田んぼでは、以前は、この花が咲く頃に、
ちょうど稲刈りをしていたものです。
最近は、育てる品種が、香川県の新しいお米
「おいでまい」になったようで、稲刈りが少し遅くなりました。
品種によって、稲が実る時期も違うんですね。


田んぼがある風景は、日本の原風景だなあと思います。
初夏に代掻きをして、田んぼに水が入ると、
水田は空や太陽を映して、鏡のようになります。

田植えのときには、ひょろひょろと細かった苗が、
梅雨の間に、すくすくと伸び、夏には風に青葉を揺らすほどに。
そして涼しくなるにつれ、稲穂が大きく膨らみ、
収穫を迎える頃には、田んぼ全体が、黄金色に輝くのです。

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「実りの秋」と呼ぶのは、きっと
私たちの主食である、お米が実るからなのでしょうね。

この時期、収穫を感謝して、神社では祭りが奉納されます。
私の住んでいるところでは、秋祭りは子供たちが主役。
家々を周り、コンコン、チキチ...という鉦の音に合わせて、
子どもたちが獅子舞を披露してくれます。

隣の集落では、子どもたちが小さな神輿を担いで、
家々を回っているのを見かけました。
こちらも、お囃子は鉦の音ですが、
リズムが異なっていて、集落ごとの個性を感じます。

秋祭りが近づいてくると、日が暮れた頃、
虫の音に混じって、遠くから鉦の音が聞こえてきます。
子どもたちが、獅子舞の練習をしているのです。
この音を聞くと、今年も秋がきたなあと思います。

稲穂が実り、収穫を迎えるこの季節、
きっと日本全国の集落で、人が集まり、
神社に奉納する秋祭りを、行っていることでしょう。
自然の恵みに感謝して、おいしい新米をいただきたいですね。


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