COLUMN

サクランボの花

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まだ寒い日の多い2月終わりごろ、
庭に出ると、重みのある甘い香りが漂ってきます。
ちょっとエキゾチックな沈丁花の花。
春の訪れが近いことを教えてくれる、花のひとつです。

木の葉が色づくのを見て、秋の訪れを知り、
枯れ木になった山を見て、冬を感じるように、
春は、つぎつぎと咲いていく花が、
新しい季節の到来を教えてくれますね。

住宅地や民家のそばを通ったとき、いちばん目を引くのは、
白く大きな花を咲かせるモクレンです。
春の薄水色の空に、高く大きな枝をのばし、
陽光を浴びて輝く、モクレンの力強い花を見ると、
ああ、春が来たなあと思います。

そして同じころ、庭では、桜の開花宣言より一足早く、
サクランボの花が、満開を迎えます。
長いおしべがあでやかで、すっきりとした花びらの、
淡い白色のサクラの花です。

このサクランボの木は、小学校に入学したとき、
両親が植えてくれたもの。
数十年の歳月が過ぎ、一度は枯れかけて伐ったのですが、
残った幹から枝が出て、また花を咲かせるようになりました。

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庭の植栽を考えるとき、最初に考えるのは、
たぶん、中心になる木を何にするかでしょう。
何十年と住み続けていく家ですから、
庭の木も、いっしょに育ち、大きくなっていきます。

秋の紅葉をめでるため、モミジやカエデ類を選ぶ人もいるでしょうし、
春の花を楽しもうと、ハナミズキやサクラにする人もいるでしょう。
夏に涼しげな木陰が欲しいからと、葉の形が美しく、
大きく育つ木を望む人もいるかもしれません。

木を植えると、落ち葉を掃除したり、
大きくなった枝を剪定したりする手間がかかります。
けれど、部屋から外を眺めたときや、庭に出たとき、
樹木を見てリラックスできる喜びは、代えがたいものです。

葉っぱに虫もやってきますが、
あまり害にならないようなら、少し大目に見てくださいね。
ミツバチのように、受粉を助けてくれたり、
ハチミツをつくってくれたりする虫もいます。

庭でサクランボの花が咲く頃になると、
いつミツバチがやってきてくるかと、そわそわします。
年々、ミツバチの数が減ってきているようで、
少し心配ですが、昨年は初めてマルハナバチを見かけました。

ふわふわの毛につつまれた丸い体で、
一生懸命に蜜を集めている姿は、とても可愛らしく、
マルハナバチを主人公にした絵本があるのも納得。
こんな発見ができるのも、庭に木があればこそ、と思うのです。


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