コラム

庭の花を摘んで...

sc1805庭の花.jpg


まだ若く、都会で生活をしていた頃、
"庭から花を摘んで、部屋に飾る"
という暮らしに、とても憧れていました。

イングリッシュ・ガーデンが、
日本に紹介され始めたばかりの頃で、
色とりどりの草花が、風に揺れる自然な姿に、
とても魅了されたのを、覚えています。

ガーデニング雑誌には、
庭で育てた花を、とても素敵にいける、
英国在住の日本女性の連載があって、
それを読むのが、とても楽しみでした。

自分の人生は、まだ始まっていない、
と思うほど若いうちは、憧れは無限大で、
いつかはそれが、手に入るような気がしています。

けれど、それを現実にしたい、と思うときには、
手に入らないものに気づいて、悲しくなることも。

雑誌に出てくる、"素敵な花の庭"を持つ人々は、
外国に住んでいたり、広大な庭を持っていたり、
別荘暮らしをしているような人たちばかりで、
どこか、遠い世界のことのようでした。

sc1805ポピー中.jpg

それでも、住宅地のなかの、小さな庭に、
種をまいてみました。

夏は日ざしが強く、冬は隣家の陰になる場所で、
草花にとっては、よい環境ではなさそうでしたが、
昔、あまり日の射さない空き地に、
ハナダイコン(紫花菜)が群生していたのを思い出し、
その種を、庭木の下に、ぱらぱらとまいてみたのです。

秋にまいた種は、すくすくと育ち、
春には、きれいな紫色の花を、たくさん咲かせてくれました。
薄暗かった庭に、ぱっと咲いた花の、きれいだったこと!

それからというもの、いろんな種をまき、苗を植え、
失敗しながら、庭にあう植物を探し、育てる日々。

いつのまにか、花が増えてきて、
春から初夏にかけての、花の多い時期には、
朝、庭の花を摘んで、花瓶にさすのが日課です。

雑誌に出てくるような、華やかな庭ではなく、
アレンジメントも自己流ですが、
大事に育てた花を、ちょっとだけ摘んで、
部屋の中に飾ると、幸せな気持ちになります。

外の庭と、部屋の中がつながり、
空間も、こころも、広々としてくる感じがするのです。

小さな家や、小さな庭にこそ、
花や草木が必要なのかもしれません。
それはきっと、住む人の心を、
やさしく、うるおしてくれるでしょうから。


......soraiでは、お客様の"暮らしに寄り添う家"をご提案しています。
あたたかみのある木や自然素材を中心に、ご希望に合わせた仕様と設計が可能です。
どうぞ、お気軽にご相談ください。