COLUMN

レモンメレンゲ・パイ

2002レモンメレンゲパイ改.jpg

甘いものが大好きで、
自分でケーキをつくれることが、
うれしくて仕方なかった、ミドルティーンの頃。

キッチンのテーブルを、粉だらけにしながら、
一生懸命、つくっていたお菓子に、
レモンメレンゲ・パイがあります。

レシピは、当時、英会話を習っていた先生から、
「英語の勉強にもなるわよ」と、
プレゼントされた本に、出ていたもの。

香川県在住の、アメリカ人女性による、
ホームメイド・ケーキの本でした。

アップルケーキや、バークッキーなど、
いま見ると、素朴でおいしそうなものがいっぱい。
でも、子どもの目には、地味にしか見えません。

そんななかで、とてもおいしそうで、
美しく見えたのが、真っ白なメレンゲと、
黄色いレモンクリームが層になった、
レモンメレンゲ・パイだったのです。

レモンそのものも、大好きでしたから、
「今日はお菓子をつくろう!」と思った日は、
迷わず、このパイづくりに挑戦していました。

気になる味のほうは...といえば、
強烈な甘酸っぱさに、家族はびっくり。
一切れ食べると、もう充分、といわれたものです。

2002レモンの花2改.jpg

そんなことを、久しぶりに思い出したのは、
庭で育てていた、レモンの木を、
思い切って、伐ってしまったから。

20年ほど前に、植えたのですが、
剪定が下手なせいか、あまり実をつけず、
最近は、病気がちにもなっていたのです。

伐採して、明るくなった跡地を見ていると、
やはり、ちょっぴり寂しくなります。

毎年、初夏になるとアゲハチョウがやってきたこと、
旺盛に葉っぱを食べるアオムシが、
サナギになり、羽化するのを見たこと...。

最後に収穫した、5個のレモンを眺めていると、
いろんなことが、思い出されます。
そしてふと、このレモンで、
あのパイをつくろうと、思ったのです。

久しぶりの、レモンメレンゲ・パイは、
びっくりするほど甘酸っぱく、
たしかに大人には、一切れで、おなかいっぱい。

それでも、口の中に広がる、
さわやかな柑橘の香りと、皮のほろ苦さは、
大人も、満足する味わいです。

庭にレモンがあるのは、やはりうれしいもの。
甘酸っぱいパイを食べていると、
今度は、鉢植えでレモンを育ててみようかな、
などと、考えたりもするのでした。


...soraiでは、お客様の"暮らしに寄り添う家"をご提案しています。
あたたかみのある木や自然素材を中心に、ご希望に合わせた仕様と設計が可能です。
どうぞ、お気軽にご相談ください。