レモンメレンゲ・パイ
甘いものが大好きで、
自分でケーキをつくれることが、
うれしくて仕方なかった、ミドルティーンの頃。
キッチンのテーブルを、粉だらけにしながら、
一生懸命、つくっていたお菓子に、
レモンメレンゲ・パイがあります。
レシピは、当時、英会話を習っていた先生から、
「英語の勉強にもなるわよ」と、
プレゼントされた本に、出ていたもの。
香川県在住の、アメリカ人女性による、
ホームメイド・ケーキの本でした。
アップルケーキや、バークッキーなど、
いま見ると、素朴でおいしそうなものがいっぱい。
でも、子どもの目には、地味にしか見えません。
そんななかで、とてもおいしそうで、
美しく見えたのが、真っ白なメレンゲと、
黄色いレモンクリームが層になった、
レモンメレンゲ・パイだったのです。
レモンそのものも、大好きでしたから、
「今日はお菓子をつくろう!」と思った日は、
迷わず、このパイづくりに挑戦していました。
気になる味のほうは...といえば、
強烈な甘酸っぱさに、家族はびっくり。
一切れ食べると、もう充分、といわれたものです。
そんなことを、久しぶりに思い出したのは、
庭で育てていた、レモンの木を、
思い切って、伐ってしまったから。
20年ほど前に、植えたのですが、
剪定が下手なせいか、あまり実をつけず、
最近は、病気がちにもなっていたのです。
伐採して、明るくなった跡地を見ていると、
やはり、ちょっぴり寂しくなります。
毎年、初夏になるとアゲハチョウがやってきたこと、
旺盛に葉っぱを食べるアオムシが、
サナギになり、羽化するのを見たこと...。
最後に収穫した、5個のレモンを眺めていると、
いろんなことが、思い出されます。
そしてふと、このレモンで、
あのパイをつくろうと、思ったのです。
久しぶりの、レモンメレンゲ・パイは、
びっくりするほど甘酸っぱく、
たしかに大人には、一切れで、おなかいっぱい。
それでも、口の中に広がる、
さわやかな柑橘の香りと、皮のほろ苦さは、
大人も、満足する味わいです。
庭にレモンがあるのは、やはりうれしいもの。
甘酸っぱいパイを食べていると、
今度は、鉢植えでレモンを育ててみようかな、
などと、考えたりもするのでした。
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