COLUMN

季節の果物とパイ

2007スモモのタルト.jpg

温暖な気候の四国に暮らしていると、
一年を通して、いろんな果物に出会えます。

いまの季節は、ビワにスモモ、白桃、ブルーベリーと、
旬の短い、フルーツがいっぱい。

まだ出始めかな...と思っていても、
あっという間に、なくなってしまうので、
果物好きには、気の休まるときがありません。

とくに、ジャムやお菓子づくりに使うときは、
出盛りの安い時期に、たくさん手に入れたいので、
産直市に、足しげく通う羽目になります。

外国のクッキング・ブックを見ていると、
果物を焼き込んだタルトやパイが、よく出てきます。

手元にある『MARTHA STEWART'S PIES AND TARTS』には、
リンゴに始まって、ピーチ、プラム、洋ナシ、
ラズベリー、さくらんぼ、ブルーベリー、レモン...と、
あらゆる種類のフルーツの、パイとタルトがずらり。

アップルパイや洋ナシのタルトは、
いまや日本でも、おなじみのお菓子ですが、
眺めるたびに、不思議に思っていたのが、
モモやスモモ、ブルーベリーのパイ。

果物に、砂糖と少しの小麦粉をふりかけたら、
あとは、そのまま生地にのせて焼くだけ。

これではパイ生地が、果物の水分で、
べチャッとしてしまいそうです。

ところが先日、『小さな家の料理の本』に、
開拓時代の人たちは、パイ生地に、
肉汁などがたっぷりしみこんだものを好んだ、
と書いてあるのを、見つけたのです。

2007スモモのタルト部分.jpg

パイやタルト生地は、サクッ、カリッとしているべき、
と、ずっと思っていましたが、
逆に、果汁がしみてやわらかいのを、
おいしいという人もいるんですね。

そんなわけで、「ふぞろいだけど...」と、
たくさんいただいたスモモで、
さっそく、そのままのパイをつくってみました。

オーブンで焼いている途中、ガラス扉からのぞくと、
スモモの果汁が、グツグツと煮えているのが見えます。

出来上がったのは、ケーキ屋さんで売っているような、
おしゃれなフルーツ・タルトとは、まったく違って、
ちょっとワイルドな、甘酸っぱい香りが漂うスモモ・パイ。

スプーンでざっくりと割ると、
真っ赤に染まった、パイ生地が顔を出しました。

バターの香り豊かなパイ生地に、
甘酸っぱいスモモの果汁がしみこんで、
なんともいえない、おいしさです。

ちょっと味見のつもりが、
ついつい食べ過ぎてしまい...。

高価なフルーツでは、もったいなくてできませんが、
旬の、手ごろな果物がたくさんあるときに、
また試してみたいものです。


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