COLUMN

木製のドア

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木をふんだんに使った家には、ぬくもりがあります。
自然の木のやさしい色合い、手にふれたときのあたたかさ...。
新築の家なら、すがすがしい木の香りにも、癒されますね。

テーブルやチェアなどの家具も、木製のものが人気。
無垢のものは、手入れをしながら使っていくと、
時間が経つほど味わいが出てきて、それも楽しみです。

もうひとつ、木のよさにあげられるのが、長持ちすること。
昨年、それを実感する出来事がありました。

40年以上経った、自宅の玄関ドア。
木製のドアとしては、ありふれたデザインですが、
無垢の木を組んでつくられています。

長い年月の間には、金属製のドアに変えようという話もあったのですが、
木の好きな私がいつも反対して、そのままになっていました。

とはいえ、ドアノブも古いままなので、
使い勝手があまりいいとはいえません。
防犯上、鍵にも不安があります。

そこで、お年寄りも子供も、力を入れずに開け閉めできる、
プッシュプルタイプのドアハンドルに、変えてもらうことにしました。

やってきた建具屋さんは、古いドアノブを外すと、
あいた穴に、ちょっとだけ埋め木をして、新しい穴をあけ始めます。

慎重に木を削っては、確認しているのでしょう。
ずいぶんと長い時間、道具を使う音がしていましたが、
「ちょっと見てもらえますか」といわれて行くと、
さわやかな針葉樹の香りがします!

足元には、まるで新しい材のようなおがくず。
削った穴の内部は、まだまだきれいな状態で、
40年も経っているのに...と驚きました。

風雨にさらされた外側は古びていても、
中はまだ、新しい材と変わらないんですね。

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塗装して、ドアクローザーも新しくした玄関ドアは、
使い勝手がよく、しかも古い家にしっくりとなじんでいます。
無垢の木と、技術を持った建具屋さんに、心から感謝です。

その後、すぐに梅雨に入ったのですが、
しばらくの間は、雨が降ると木が膨張して、
玄関ドアが、ちょっと閉まりにくくなりました。

家が建ったばかりの子供のころ、雨が降り続くと、
玄関のドアがなかなか閉まらなくなり、
いまは亡き父が、ブツブツ言っていたものです。

木は湿度によって、膨張したり収縮したりします。
乾燥が進むと、ほとんど差がなくなりますが、
削りたては、少し閉めにくくなることも...。

そんなことも楽しめる余裕が、あるといいですね。
父の小言も、いまとなっては懐かしい思い出。
もしも当時にタイムスリップできるなら、
40年以上たっても、ちゃんと使えるよと、伝えたいものです。


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