フルーツ・ポマンダー
朝晩の気温がぐんと下がり、すっかり冬らしくなりましたね。
この季節になると、子どもの頃に読んだ、
「手づくりのプレゼント」の本のことを思い出します。
クリスマス・プレゼントのアイデアを探していると、
昔風の千代紙を使った人形や、
ちょっと難しそうなバラのドライフラワーに混じって、
「これって何?」と首をかしげる、不思議なものがあったのです。
それは、"ポマンダー"。
丸ごとのオレンジに、丁子(クローブ)という香辛料を突き刺し、
1か月ほど、そのままにしておきます。
あとはリボンをかけたらできあがり!...とのこと。
ポマンダーという名前も、風変りだと思いましたが、
何より、果物を1か月も放っておいて腐らないの!?
と、子ども心に疑問がわいたのです。
イラストで見るツブツブがついたオレンジは、
とても美しくは見えず、これがプレゼントだなんて...と、
心底、不思議に思いました。
大人になって、ポマンダーはポプリのように、
香りを楽しむものと知りました。
最近は、暮らしを楽しむアイテムとして、
本や記事で紹介されているのを見かけますね。
もとはヨーロッパで使われていた、金属製の匂い袋のようなもの。
丸い形から、pomme d'ambre(琥珀のリンゴ)と呼ばれたのが語源とか。
オレンジに丁子(クローブ)を刺したものは、
果物でつくるので、フルーツ・ポマンダーと呼ぶそう。
丁子(クローブ)は、インドのチャイにも使われ、
甘くてエキゾチックな香りが、とても魅力的です。
チャイなら、1~2本でとてもよい香りが出るので、
ポマンダーでたくさん使うのは、ちょっともったいない気も...。
それでも、空気が乾燥して寒い冬のうちに、
ポマンダーをつくってみることにしました。
香川では、国産のレモンも栽培されています。
ネーブルオレンジはまだ出ていないので、
地元産のレモンとユズを買い、クローブをたっぷりと準備しました。
太めの竹串で皮に1㎝ほどの深さの穴をあけ、
そこに1本1本、クローブを刺していきます。
穴をあけるたびに、レモンとユズのさわやかな香りが立ち、
クローブの甘い香りが混ざって、部屋中がいい匂いに。
最後にシナモンとジンジャーパウダーをふりかけたら、
紙袋に入れて風通しのよい場所に吊るし、待つだけ。
乾燥した頃合いを見計らってリボンをかけたら、できあがりです。
ポプリのように、置いて飾るのもいいですし、
吊り下げて楽しむのもいいですね。
クローブとシナモンの甘い香りに、
かすかな柑橘の香りも混じるフルーツ・ポマンダー。
エキゾチックな香りが、どこか遠い異国の地へ、
連れて行ってくれるような気がします。
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