COLUMN

青田に吹く風

2208夏の水田とため池WEB (002).jpg

雨の少ない香川県ですが、平野に恵まれ、稲作も盛んです。
いまの季節は稲が青々と茂り、夏の青空に緑の田んぼが映えますね。

梅雨の田植え時には、細い糸のようだった稲葉が、
暑さが増すにつれてぐんぐん伸び、真夏には目にもあざやかな緑葉に。
水田はまるで、ふかふかの緑のじゅうたんのようです。

太陽の光を浴びてきらきらと輝く葉は、ほんとうに美しく、
昔ながらの言葉で「青田」と呼ぶのがふさわしく感じます。

太陽の恵みと水の恵み、そして人が手をかけて育てた証...。
美しい水田の背景には、いろんな恵みと努力があって、
だからこそ、私たちは青田に感動するのかもしれません。

昔は、田仕事で大変なのが除草作業だったとか。
たしかにいまの季節、暑くて庭に咲く花は少ないのに、
雑草は伸び、雨上がりの翌日は草抜きに大わらわです。

緑の芝生もぐんぐん伸びて、
額に落ちる汗をぬぐいながら、芝刈りをしています。

狭い場所なので、両手ばさみで刈るのですが、
きれいになった!と思った数週間後には、また伸びて...。
水稲と同じイネ科ですから、いまが成長期なのでしょうね。

2208夏の水田WEB (002).jpg

近所の散歩コースでは、ため池のそばに水田があります。
暑い日差しのもとで、元気いっぱいに育つ稲の生命力には驚かされます。

高台から眺めると、水田は冴えた緑色に輝き、まさに青田そのもの。
吹き渡る風に稲葉がさらさらと揺れる様子も美しく、
少し強い風のときは、葉が波のようにうねって、風の通り道を教えてくれます。

昔の人もきっと、水田を眺めて、ゆたかな気持ちになったのでしょう。
風に揺れる青田の風景は、いまも昔も、そんなに変わらないに違いありません。

山の方へ出かけてみると、もう穂が出ている田んぼがありました。
コシヒカリは田植えが早く、収穫時期も早いと聞いたことがあります。
いっぽう、暑さに強い香川の新品種「おいでまい」は、
収穫時期が遅いようで、秋祭りが過ぎてから稲刈りをしています。

「おいでまい」は、粘りが少なく、ぱらっとしているのにおいしくて、
もち米が大好きな私でも、すぐにファンになりました。
一年のうち3分の2は、知り合いから買った香川のコシヒカリを、
それを食べきったあとは、近所の産直市で「おいでまい」を買って食べています。

米どころといえば、北陸のイメージがありますが、
香川でも、おいしいお米が食べられるのはうれしいですね。

まだしばらく夏の暑さは続きますが、アキアカネが飛ぶようになると、
稲穂も色づき、やがて収穫時期を迎えます。
今年もどうぞ、おいしいお米がとれますように。
風に揺れる青田を眺めながら、黄金色の実りの秋を思い浮かべました。


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