春の花のデザート

夜明けがしだいに早くなり、それにつれて、
日が暮れるのも、だんだん遅くなってきました。
太陽の光は、もうすっかり春ですね。

冬の寒さが厳しかったせいか、例年よりも遅く咲き始めた庭の梅。
短い枝に、花とつぼみをたくさん並べている様子は、
まるで髪に挿す、かんざしのようです。

昔の人が、梅や桜を愛でる花見の宴で、
頭に花を挿して踊ったというのも、わかるような愛らしさ。
一重の素朴な花ですが、かえってそれが、
凛とした美しさを感じさせます。

年々ひどくなるスギ花粉症のせいで、
あのやさしい梅の花の香りが、わからないのが残念ですが...。

そんなことを思いながら、梅の花を眺めていると、
どこからか数匹、小さな日本ミツバチがやってきて、
プーンと羽音をさせながら、花から花へと飛び回りはじめました。

サクランボの木を伐ってから、あまり姿を見かけず、
ちょっと寂しく思っていたのですが、
こうして梅の花にも、やってきていたのですね。

人だけでなく、ほかの生き物たちも、
この花を喜んでいるのだと思うと、うれしくなります。

庭の片隅では、紫花のニオイスミレが2輪、
ちいさな花を咲かせていました。

野生のスミレは、春の訪れとともに咲き始めます。
冬の間、庭を明るく彩ってくれる
園芸品種のビオラやパンジーもいいのですが、
ニオイスミレの花を見ると、春が来た！と思います。

あたたかな春を喜ぶ気持ちを、表したくて、
庭のニオイスミレと、無農薬で育てているビオラを摘んで、
春の花のデザートをつくりました。

さっと熱湯にくぐらせてから、シロップにつけた花を、
杏仁豆腐の上にのせて、ゼリーで固めます。
花が大きくてガクが気になるなら、花びらだけでもいいですね。

スミレらしい紫花と、春を感じる黄色の花。
見ているだけでも、元気をもらえそうです。

芝生の間からは、ヒヤシンスやすずらんスイセンが、
緑の芽を出し始めました。
蕾が出て花を咲かせるのも、もうすぐでしょう。

みんなが待ち焦がれる、桜の開花も目前。
花いっぱいの春が、待ち遠しいですね。

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