COLUMN

サマープディング

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梅雨が近づき、晴れた日はもう夏のような暑さですね。
庭のワイルドベリーやラズベリーにも、小さな実がつき始めています。

この時期になると思い出すのが、イギリスの伝統的なデザート
「サマープディング」です。

イギリスに行ったことはないので、
本場のサマープディングがどんな味なのかは知りません。
しかも家庭料理なので、お店で食べたこともないのです。

それなのにサマープディングのことを考えてしまうのは、
20年以上も前に写真で見た、美しい色が忘れられないから。

ドーム型のパン生地は、まるでルビーのような深い赤紫色。
ナイフを入れたところから、真っ赤なイチゴや紫のブルーベリーがあふれ出していて、
それはもう、目を見張るほどの色鮮やかさだったのです。

このデザート、じつはサンドイッチ用のパンでできています。
プディングといいますが、蒸すわけではなく、レシピもいたって簡単。

ベリー類をシロップで煮たら、軽くこして実と液体にわけます。
型の内側にパンを並べて実を入れ、上からパンでフタをします。
ベリーを煮たシロップは、きれいな赤紫色になっているので、
これを全体にかけて、半日ほど寝かせたら出来上がり。

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とてもカンタンなのに、実際につくったことは数回しかありません。
緯度の高いイギリスでは、ベリー類は同じ時期に採れるのでしょうけれど、
日本のしかも温暖地の香川では、それぞれ収穫時期が異なるのです。

イチゴは露地物でも5月、ラズベリーは6月、ブルーベリーは7月。

それに日本のフルーツは、生食用デザートとしてつくられています。
おいしいけれど高価なので、煮て食べるのはもったいなく感じますね。

それでも、久しぶりにあの美しい赤紫色を見たくなり、
手に入るベリー類でサマープディングをつくってみました。

産直で売っていた小粒のジャム用イチゴと、桑の実。
桑の実は、味は薄いのですが、きれいな濃い紫色が出ます。
あとは冷凍のブルーベリーと、スーパーで見つけたアメリカンチェリー。

サンドイッチ用のパンでなく、イギリスパンを使ったら、
かなり凸凹のサマープディングになってしまいましたが、
ほんのり塩味がきいて、大人向けのデザートになりました。

きれいな赤紫色に染まったパンをナイフで切ると、たくさんのベリーがあふれ出します。
家庭料理だけあって味は素朴ですが、家族で切り分けると楽しいですね。

これから始まる梅雨の時期。
雨の日はサマープディングを食べながら、
太陽のまぶしい夏を待つことにしましょう。


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