COLUMN

花の季節

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一年のうちでいちばん花が多いのは、いつでしょう。
香川にいて、周囲の山や雑木林を見ていると、
サクラが咲き、タンポポやスミレの咲く春こそ、花の季節と思います。

けれども庭となると、5月もまた花の季節だと感じます。
生け垣のツツジが満開になり、シャクヤクやボタンが豪華な花を開き...。

木々の下では、ミヤコワスレが可憐な花を咲かせていますし、
花壇でも、やさしい草花が色とりどりに咲いています。
優雅なバラの花が咲き始めるのも、5月ですね。

この時期は、花だけでなく若葉も美しく見えます。
落葉樹も常緑樹も、新芽を伸ばして若葉を開き、
やわらかな明るい緑の葉っぱをしげらせ、
みずみずしいグリーンで、花の背景を満たします。

庭木の手入れをしている身からすると、
"きれいだなあ..."と葉の美しさに見とれる瞬間と、
"あんなに伸びたら剪定しなければ..."とあせる気持ちが入り乱れ、
ちょっと複雑な気分ではありますが。

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毎年、GWごろに咲く、庭の真っ赤なシャクヤク。
リビングから眺めると、周囲の若葉の緑色とのコントラストが美しく、
緑と赤の組み合わせって、こんなにきれいなんだなあと思います。

鮮やかな赤の花びらに、黄色いおしべが見える花は、
花瓶に生けても、凛とした美しさがあります。
けれどもやはり庭で、木々の緑といっしょにいる姿のほうが、
生き生きとして見えるのです。

5月の若葉の季節は、どんな色の花も美しく見えます。
春からずっと咲いている黄色や紫のビオラ、オレンジのツツジ、
ブルーのワスレナグサ、白いバラ、白と紫のシラン、茶色のエビネラン...。

以前は、大好きな白やパステルカラーの花だけで、
いつか庭を統一したいと思っていたものです。
けれど父が植えたものや、自然に生えてきたものも大切に思うようになり、
ホワイト・ガーデンを望む気持ちは、いつのまにか失せました。

白い花で統一しなくても、庭に咲く花のそれぞれに、
家族や友人知人との思い出があり、過ごしてきた時間の積み重ねがあり、
それが心をなごませ、豊かにしてくれます。

そして、どんな色の花も包み込む、若葉の緑。
そのやさしさと力強さを見ていると、
緑あってこその花なのだと、この季節はとくに実感します。


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