COLUMN

007.雨の音を聞く

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あ、雨が降ってきた...と気がつくのは、
庭木の葉に当たる、雨しずくの音が、
ぱらぱら、ぱらぱらぱら...とし始めたときです。

きっと、お隣のモクレンの木の葉っぱに、雨粒が当たる音なのでしょう。
モクレンの葉は大きくて、厚みがあって、しっかりしていますから。
庭のレモンの葉も硬いので、音を同調させているかもしれません。

やわらかなモミジの葉や、草花に降る雨は、
ほとんど音もたてずに、葉っぱをすべりおりていきます。
そして、屋根の瓦の上に落ちた雨も、
静かに流れ、集まって、さざ波のような水の模様をつくり、
樋へと落ちていくのです。

ガルバリウム鋼板や、スレート系の材で屋根をふいているなら、
屋根に当たる雨音で、雨に気づくかもしれませんね。
車庫の屋根に使われる波板も、パタパタパタ...と雨粒を弾きます。

雨が降り始めると、あちらから、こちらからと音が鳴り出し、
小さな音がいくつも集まり、重なり合って、
やがてその家を包み込む、背景音楽になります。

道路が近ければ、タイヤが水を切る音が聞こえるかもしれません。
公園のそばなら、いつもは聞こえる子供たちの遊び声が、
その日はなく、ひっそりと静かなことでしょう。

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雨の日の記憶は、人の心に、深く刻まれるような気がします。
誰かの家を訪ねたとき、雨が降っていたら、
その日のことが、より強く印象に残りませんか。

雨の日のキャンプも、忘れがたいものです。
テントを打つ雨音の激しさに、何度も目を覚まし、
一枚の布が雨を防いでくれることに、感謝しながらも、
ちっぽけな自分と、人間の弱さを、ひしひしと感じます。

家のなかにいても、大雨や暴風雨に見舞われた夜は、
屋根を叩く猛烈な雨の音や、ビュービューと吹き付ける風の音に、
ふだんはあまり意識しない、大自然の脅威を実感します。
広大な大気と、その循環が生み出す力の大きさを、思わずにはいられません。

雨が降ってきたら、ぜひ雨音に耳を澄ませてみてください。
家の周囲を包む、雨の音。
職場の周囲を包む、雨の音。
気がつかないくらい、耳になじんでいるその音を、
いつか懐かしく、思い出す日がくるかもしれません。


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