COLUMN

ドングリとクルミ

2010ドングリ3.jpg

近所のため池の周りを、散歩していると、
木の上から、何か硬いものが落ちてきて、
アスファルトにぶつかり、カツン! コロコロコロ...。
拾い上げてみると、大きなドングリです。

そばには、同じようなドングリの実と、
イソギンチャクのような、個性的な形の殻斗も。
どうやら、クヌギの実のよう。
こんなところにも、クヌギが生えているんですね。

見上げれば、秋空にキラキラと輝く葉っぱのあいだに、
緑や茶色のドングリが、ちらほら見えます。
灰色の幹をした木は、ほかの木よりも高くそびえ、
どこか、もっと深い森のなかのほうが似合いそう。

ため池のふちの狭い場所で、窮屈かも...と思いましたが、
もしかしたら、明るくて日当たりがいいので、
のびのびと、育っているのかもしれません。

2010ブラウニー.jpg

もうずいぶんと前のことになりますが、
山でクヌギの実を、籠いっぱいに拾ってきて、
ドングリ・クッキーやドングリ豆腐を、
つくってみたことがあります。

昔の人が、ドングリを食用にしていたと聞いて、
どんな味がするのか、調べたいと思ったのでした。

ペンチで殻を割り、実を取り出すだけでも大変。
さらにそれを、灰汁につけ、水にさらし、
ミキサーにかけて、また水にさらし...。

手間ひまをかけてつくった、ドングリ豆腐は、
ちゃんと固まったことに、感動しましたが、
味のほうは、やはりちょっぴり渋かったように思います。

それでも、自然の木の実で、食べ物をつくった喜びは、
とても大きく、自分も昔の人になった気がしたものでした。

種苗会社のカタログを見ていると、
クルミやアーモンド、ヘーゼルナッツといった、
お菓子でおなじみのナッツ類の苗木が、売られています。

ふだん食べているナッツは、樹木が実らせた果実から、
取り出したものなんだなあと、あらためて思います。

クルミは、日本にも野生のオニグルミがありますね。
ヘーゼルナッツも、よく似たハシバミがあるそうですが、
四国には自生していないようで、見たことがありません。

季節は秋。落葉樹は実をつけ、紅葉を始めています。
山の木の実を想像しながら、クルミを使って、
チョコレート・ブラウニーをつくりました。

冬眠に向けて、ドングリをいっぱい食べるクマのように、
クルミのお菓子を、おいしくいただきましょうか。


...soraiでは、お客様の"暮らしに寄り添う家"をご提案しています。
あたたかみのある木や自然素材を中心に、ご希望に合わせた仕様と設計が可能です。
どうぞ、お気軽にご相談ください。