COLUMN

ヤマモモのシロップ

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梅雨空が続き、アジサイの花もそろそろ盛りを過ぎる頃、
庭にあるヤマモモの木に、赤い実がたくさんなります。

はじめは黄緑色の小さな実ですが、しだいに色づいて、
きれいな赤色になり、最後は深いルビー色に。
葉っぱに囲まれて、たくさん実が集まっている様子は、
さながらブローチのようです。

熟した実は、触れるとすぐに落ちてしまいますが、
そのままにしておけるなら、
美しい実をつけた枝を何本か切って、
花瓶に活けるのに...と思います。

ヤマモモは、温暖な気候の土地に生えるそうで、
四国や九州では、よく見かけます。
香川では、自生しているものもありますし、
公園などにも、よく植えられていますね。

高知県では、産直市でヤマモモの実を売っていることも。
モモと名前がついていても、果物というよりは野生の実。
口に入れると、強烈な甘酸っぱさとともに、
マツヤニのような個性的な香りが、ぱっと広がります。

種も大きいので、昔の人がいう「しがむ」食べ方しかできません。
噛みながら、果汁を吸う...というのでしょうか。
1個では満足できないので、つぎつぎ手にとって口に放り込むことに。

大きな実でも、口に入る果汁はほんのちょっぴり。
でもそれが、野生の実の醍醐味なのでしょう。

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今年はたくさんとれたので、ヤマモモのシロップをつくってみました。
瓶に同量の砂糖と交互に入れて、数日から1週間ほどおいておきます。
果実から出たエキスで、甘酸っぱいシロップが完成!
真っ赤な色は、眺めているだけでもうっとりします。

時間と手間をいとわないなら、ジャムにしても。
砂糖と水で煮て、やわらかくなったら種をとりのぞき、
残りを煮詰めれば、ジャムの完成!
きれいな赤紫色と、独特の香りがやみつきになる、一瓶です。

ジャムをつくるとき、種をとるのが大変なので、
フードプロセッサーを使っていたら、
モーターの隙間に、果肉の繊維がつまって、
フードプロセッサーがだめになったことがありました。

以来、ジャムはあきらめて、もっぱらシロップにしています。
暑い夏は、ソーダで割って、おいしいヤマモモ・ソーダに。
梅シロップもいいですが、ヤマモモシロップもなかなかのものです。

たくさん実がとれたら、砂糖をまぶして冷凍しておき、
アイスクリームなどに添えて出すのもいいですね。
いまどきの子供たちに、「しがむ」食べ方を教えたら、
いったい、どんな顔をするでしょうか。

梅雨の晴れ間、ヤマモモの実を摘みながら、
あれこれと思いを巡らせていると、
ケキョキョケキョ...と、ホトトギスの声が。
夏の訪れも、もうすぐのようです。


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