COLUMN

サワードゥ・ブレッド

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さわやかな風が吹き、秋らしい季節になりました。
夕方になると、庭のどこかから、チッチッチッ...と
カネタタキの虫の音色が聞こえます。

暑すぎず、寒くもない、いまの季節は、
パン生地を発酵させるのに、ぴったりの時期。
以前から気になっていた、自家製酵母のパン、
サワードゥ・ブレッドをつくることにしました。

サワードゥ・ブレッドは、直訳すると"酸っぱい生地のパン"。
いまのようにドライイーストもなければ、
生イーストも手に入りにくかった時代に、
家庭でつくられていたパンです。

パンを膨らませる酵母づくりは、穀物粉と水を混ぜて待つだけ。
穀物の表面や空気中にある、乳酸菌や酵母が、
穀物の糖分を栄養にして育ち、発酵するのです。

粉と水を混ぜるだけで、酵母ができるなんて...と、
半信半疑で、全粒粉と水を混ぜ合わせた翌日。
ボソボソだった表面が、なめらかになっています。

さらに全粒粉と水を加え、混ぜ合わせて一晩。
翌朝、ガラス瓶の側面を見てびっくり。
プクプクとした気泡ができています!
耳を近づけると、かすかにシュワーという音が。

そうやって一日に一回、全粒粉と水を混ぜておくと、
5日後には、酵母がしっかり育って大きな気泡が立ち、
ちょっと酸っぱい匂いの、サワードゥ種ができあがりました。

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サワードゥ種は、使うときに少し残して、
粉と水を足しておけば、またいつでも使えます。

パンが主食のヨーロッパや、アメリカ合衆国では、
昔はそうやって、家庭でパンづくりをしていたといいます。
種を継ぎ足すやり方は、伝統的なものなのですね。

アメリカ合衆国のゴールドラッシュ時代には、
金を探して旅をしていた人たちが、
このサワードゥ種を大事に持ち歩いていたそう。

持ち運べるように、少し粉を足して丸め、
酵母が元気な温度を保つため、お腹に巻いていたのだとか!

野営のときでも、サワードゥ種があれば、
おいしいパンやビスケットが、できたことでしょうね。

さて、できあがったサワードゥ種を使って、
さっそくパンをつくり、焼いてみました。
初めてのサワードゥ・ブレッドは、
うまく膨らまず、ちょっぴり平べったいパンに...。
パンケーキも、薄焼きになってしまいました。

それでも、食べてみると、もちっとした弾力と、
穀物の豊かな香り、ほのかな酸味と甘みが楽しめます。

自然の力でパンを膨らませる、サワードゥ・ブレッド。
いつかちゃんとしたパンが焼けるよう、
種を育てながら、ときどき挑戦してみようと思います。


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